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被爆体験聞き高校生が描いた絵16点完成

■記者 村島健輔

 広島市立基町高(中区)創造表現コースの2、3年生16人が被爆体験を聞いて描いた絵が完成した。7月に同校や原爆資料館で展示し、その後証言活動などに活用する。

 川に逃れた多くの人や、父の遺骨を持つ女の子などを伝える16点。2年立川侑子さん(17)はトラックに負傷者を乗せる様子を油彩で表現した。「証言者の絵を参考にイメージを膨らませた。皮膚の描写に気を付けた」

 3年久保玲奈さん(18)は川面を描くのに時間をかけた。「炎が水面に映り、川が赤く見えた」という証言者の記憶に近づけるよう赤や茶色を重ねた。証言者と10回ほど会い、作品を仕上げた2年三戸奈津美さん(16)は「原爆について知らないことがあまりに多かった」と振り返る。

 被爆の記憶を継承してもらおうと資料館が呼び掛け、生徒は昨秋から2人1組で被爆者8人と面談を重ねた。5月中旬までに全員の絵が出来上がった。

 6日に証言者や原爆資料館の前田耕一郎館長らを招き、完成を報告した。7月5日の同校の文化祭で公開する。

(2008年6月6日朝刊掲載)

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