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■「伝承者」1期生来年度デビュー

 広島市が2012年度から始めた「被爆体験伝承者養成事業」。原爆投下から70年の節目になる来年度、1期生がデビューする。3年間かけて被爆の実態や話法技術を学び、証言者から被爆体験を伝授された伝承者が、代役として原爆の惨禍を語り継ぐ。

 市によると、12年度に公募した1期生108人と13年度の2期生54人が受講中。北海道や東京都、福岡県など県外からの参加者もいる。証言者26人の中から師事したい人を選び、マッチングを経た上で被爆体験の引き継ぎを進めていく仕組み。証言者が逃げた道のりを一緒にたどるなど被爆直後の動きを追体験する実習もある。

 2期生のマンドリン奏者佐古季暢子さん(29)=広島市東区=は「身内に被爆者がいるわけでもなく、戦争の惨状を見ていない自分が引き継げるのか葛藤があった」と明かす。「でも必ず誰かが被爆者の思いを受け止めて、伝えていかなければならない。平和を考えない行為は無責任だと思う」と、証言者の苦悩に寄り添う。

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