×

ニュース

被爆地での討議評価 デクラーク元南ア大統領

■記者 馬上稔子

 ノーベル平和賞受賞者世界サミットに参加している南アフリカ共和国のデクラーク元大統領は13日、会場の広島市南区のホテルで記者会見した。歴代受賞者たちが歴史上初めて被爆地に集結し、核兵器廃絶をテーマに討議したことを評価した。

 デクラーク氏は、原爆で多数の死者が出た深刻さに言及し「広島は核兵器の破壊性のメッセージを世界に発している。このサミットのメッセージに重みを与える」と述べた。廃絶へ市民団体が連携することを「政府に核兵器を放棄させる方法の一つ」と指摘した。

 また、今年の受賞者で中国の民主活動家劉暁波氏の釈放に向け、国際社会が中国政府に圧力をかけ続ける大切さを強調した。

 この日、デクラーク氏は東区の創価学会広島池田平和記念会館で、自国で核兵器を放棄したプロセスを講演した。「どんな理由があろうと核兵器保有は正当化できない。アフリカのように全世界を非核兵器地帯にしなければいけない」と訴えた。同会館では14日、北アイルランドの平和運動家メイリード・マグアイア氏たちが講演する。

(2010年11月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ