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被爆体験語る寺前妙子さん 核のない道 思い貫く

 広島市安佐南区の寺前妙子さん(83)は30年以上、修学旅行生らに被爆体験を語り続けている。「2度と繰り返してはならない。核のない幸せな道を」と一途に思いを貫く。

 昭和20年8月6日、高等女学校時代の15歳の時、爆心地から550メートル離れた動員先の広島中央電話局で被爆した。倒れた人で廊下が埋め尽くされ、2階の窓から飛び降りて逃げた。助けを借りた担任の女性教師(22)はその後亡くなった。

 左目を失い、顔に山脈のような裂傷ができ、「お姉ちゃんがお化けの顔になっちゃった」との弟の言葉に深く傷ついた。高熱や出血、紫斑、脱毛に悩み、60歳以降は子宮体がん、乳がん、甲状腺がんも患った。「戦争さえ、原爆さえなかったら」と、若い世代に核の恐ろしさを伝える。被爆体験を伝承する取り組みを心強く感じ、「戦争の犠牲者にならないように皆の力で防ぐべき」と語る。

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