×

ニュース

サミット2日目 最終宣言で核兵器廃絶の包括条約を提言へ

■記者 金崎由美

 ノーベル平和賞受賞者世界サミットは2日目の13日、「核兵器のない世界」をテーマに会場の広島市南区のグランドプリンスホテル広島で議論を続けた。最終日の14日に平和記念公園(中区)で発表する最終宣言には、核兵器廃絶の包括条約を求めることを盛り込む。

 この日の起草委員会で最終宣言の原案をまとめた。冒頭でサミット参加者が広島で被爆体験を聞き「核兵器の使用は人道に対する罪であり禁止されるべきだと確信した」と明記。核兵器保有を正当化する核抑止力が「まったく古い考え。許されない」と非難する内容となっている。

 世界への提言として、核兵器は非道徳的で違法だと確認すること▽すべての保有国が核兵器を削減し多国間交渉に加わること▽包括的核実験禁止条約(CTBT)を中国、米国、イラン、イスラエルなどが批准、インド、パキスタン、北朝鮮は署名、批准すること▽包括条約実現へ政府と市民が取り組むこと―などを挙げた。

 この日のセッションでは、広島市の秋葉忠利市長が「国境を隔てた国と国という枠組みを超えることが都市にはできる」と訴えた。

 14日は午前9時半から平和記念公園でダライ・ラマ14世たち歴代受賞者6人がスピーチ。イタリアの元サッカー選手ロベルト・バッジョ氏への「平和サミット賞」授与式もあり、一般参加ができる。

(2010年11月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ