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証言や写真ネットで公開 広島女学院高生徒有志

 広島市の広島女学院高校は、生徒有志が原爆の証言や写真の資料をデジタル保存し、「ヒロシマ・アーカイブ」としてインターネット上に公開する活動をしている。平和教育の一環で、埋もれそうな記憶を掘り起こし、被爆地の思いを世界に発信している。

 記録を保存、未来に伝達するアーカイブは、首都大学東京システムデザイン学部の渡辺英徳准教授を中心に制作する。ネット関連サービスのグーグル社が提供するバーチャル地球儀ソフト「グーグル・アース」に写真や動画、メッセージを掲載している。

 生徒が平成22年度末から被爆者と面会し、その内容を動画収録や編集している。これまで掲載した被爆者の映像証言は130件に上る。平和記念資料館など各施設や家庭に残る資料を重層的に示して情報を一元化し、総覧できる。

 1年生の難波華子さん(15)は「被爆者の雰囲気を残せる」とやりがいを感じている。2年生の石原香音(かのん)さん(17)は「他県の同世代にも、戦争や原爆は人ごとではなく身近に捉え行動してほしい」と語る。担当の矢野一郎教諭(52)は「継承の一つのツール。人間の営みの楽しい側面も載せたい」と観光発信にも意欲を見せる。

 同校は、核兵器廃絶の署名活動や広島平和記念公園の来訪者にモニュメントの案内にも取り組んでいる。

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