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平和を考える夏 とちぎから/きょう原爆の日/式典に派遣 最多170人/本県の中学生 広島入り

 広島の「原爆の日」を翌日に控えた5日、広島平和記念式典に参列する本県の中学生が続々と広島市内に入り、被爆の実態や核兵器廃絶・平和への願いを学んでいる。被爆から69年を迎えて風化が懸念される中、平和教育の一環として県内自治体で広がりを見せている式典への中学生派遣。今年は下野と野木の2市町が初めて参加し、過去最多の8市町から生徒計約170人が6日の式典に臨む。

 下野市から派遣された市内4中学校の2年生計8人は5日午後、あいにくの雨の中、広島市中区の平和記念公園を訪れた。同じ中学2年生で被爆した同市中区、国重昌弘(くにしげまさひろ)さん(84)の体験談に耳を傾けた後、広島平和記念資料館や原爆ドーム周辺を見学した。

 原爆ドームが印象に残ったという派遣団リーダーの南河内中2年、大沼里美(おおぬまさとみ)さん(14)は「壁の色や地面のがれきを生で見て、写真より原爆の凄惨(せいさん)さが伝わってきた」と衝撃を受けた様子。

 国分寺中2年の大出甲斐莉(おおでかいり)君(14)は「被爆者の壮絶な体験は現代では考えれない。あすの式典では被爆者だけでなく、戦争に行った自分の先祖のことも考えてみたい」と引き締まった表情で語った。

 広島市市民活動推進課などによると、今年の本県自治体の中学生派遣は1996年から毎年続けている小山をはじめ、鹿沼、宇都宮、日光、栃木、那須烏山、下野、野木の8市町が実施。引率の教員や職員を含めると総勢約200人が6日の式典で原爆死没者の冥福と平和を祈る。(荒井克己)

(下野新聞8月6日朝刊3面掲載)

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