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原爆症認定 在外被爆者 初の提訴 ブラジル 却下取り消し請求

■記者 山崎雄一

 ブラジル・サンパウロ市に住むブラジル被爆者平和協会の森田隆会長(86)が12日、国を相手に原爆症認定申請の却下処分の取り消しなどを求める訴訟を広島地裁に起こした。弁護団によると、在外被爆者が認定をめぐって提訴するのは初めて。

 訴状などによると、森田さんは爆心地から1.3キロの路上で被爆。2008年6月、心筋梗塞(こうそく)を理由に原爆症の認定申請を厚生労働省にしたが、今年5月に「放射線の起因性が認められない」と却下された。

 国は2008年4月、爆心地から3.5キロ以内で被爆した場合、がんや心筋梗塞、白血病などについて積極的に認定する新基準を導入した。森田さんは「却下は被爆者援護法に反する違法行為」と主張している。

 一時帰国している森田さんはこの日、広島市中区で記者会見し、「在外被爆者に明るい道筋を一日も早くつくりたい」と話した。

(2010年11月13日朝刊掲載)

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