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地元高校生はネット配信

 被爆者の証言を残そうという動きは若者の間にも広まる。広島市の広島女学院高校では、核兵器廃絶の署名活動をしている有志の女子高生らが、証言者の声や映像などをインターネットで発信するウェブサイト「ヒロシマアーカイブ」作りに取り組んでいる。

 サイトでは、グーグルアースの衛星写真に当時の広島市の地図を重ね合わせ、地図上に浮かぶ人の顔を選ぶと、証言映像や証言集が表示される。爆心地や、放射能を含んだ黒い雨の降ったとされる範囲を重ねて見ることもできる。

 三年前に始め、現在は百五十枚の写真と二百人ほどの証言映像や手記を公開している。記録映像を使ったほか、生徒自らが取材や編集をした証言もある。同校のサイト制作チームのリーダー、石原香音(かのん)さん(17)は「いろんな人の話を聞きながら、核兵器が駄目だと再確認させられた」。

 メンバーで、今年四月、国連の潘基文(バンキムン)事務総長に核廃絶の署名を手渡した三年生は「同じ年代の少女が被爆して多くのものを失った。被爆者の声を聞ける最後の世代として、未来につなげたい」と語った。

(中日新聞8月6日朝刊1面掲載)   

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