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岩国の中山間地域 振興へ 市総合計画案 米軍基地と「共存」

 岩国市は、2015~22年度の8年間を見据えた総合計画案をまとめた。進む少子高齢化と過疎化に対応するため、基本構想の中に中山間地域のまちづくり方針を明確に位置付けた。米海兵隊岩国基地と「共存」するスタンスも初めて盛り込み、安全対策の促進を掲げた。

 2006年3月の合併で新市となって以降、2回目の策定。将来人口推計では、14年の約13万9千人から、22年には約12万7千人と約1万2千人の減少が見込まれる。特に人口減少率の高い中山間地域で、農山漁村の基盤整備や集落を維持する仕組みづくりなどを目指す。

 こうした少子高齢化を背景に、子育て支援や岩国錦帯橋空港を生かした産業や観光の振興、充実した社会基盤の整備など六つの基本目標を掲げ、18年度までの前期基本計画を示した。具体的な施策には、市の魅力を国内外に発信する「シティプロモーション」の推進や企業誘致、雇用促進などを挙げている。

 基地関連では「米軍基地と共存するまち」として、市民の安心・安全と平穏を確保するため、関係機関と協力しながら基地安全対策に努める、との方針を初めて示した。市民へのアンケートでは「米軍人等による犯罪、事故などの防止」を求める意見が最多だった。17年ごろとされる空母艦載機移転も踏まえ、騒音軽減や治安対策に努める。

 市は9月2日開会の市議会定例会に提案し、議決を経て正式に策定。年内をめどに製本し、販売する。(野田華奈子)

(2014年8月30日朝刊掲載)

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