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集団的自衛権でテロ標的リスク 広島で柳沢氏講演

 集団的自衛権の行使容認の問題点を考えるシンポジウム「憲法第9条と集団的自衛権行使」が30日、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザであった。第1次安倍晋三内閣などで官房副長官補を務めた柳沢協二氏(67)が講演し、約200人が聞いた。広島弁護士会の主催。

 柳沢氏は、「日本人を輸送する米艦の防護」など政府が想定する集団的自衛権の行使例について「憲法の枠内で認められている個別的自衛権で対応できる」と指摘。閣議決定による憲法解釈の変更を疑問視した。

 「自国の存立が脅かされる明白な危険」など、閣議決定に盛り込まれた集団的自衛権の行使要件についても「具体性がなく、どうにでも解釈できる」と非難。「米国の要求に際限なく追従することになり、日本がテロの標的になるリスクも高まる」と危ぶむ。

 会場からは「安倍政権は解釈改憲で何を目指しているのか」との質問も出た。柳沢氏は「積極的平和主義など、首相の言葉はあいまいで分かりにくい。これから始まる関連法案の議論を注意深く見守ってほしい」と応じた。

(2014年8月31日朝刊掲載)

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