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「ヒロシマの日」制定を ダライ・ラマが提案

■記者 金崎由美

 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は15日、広島市南区のホテルで記者会見し「広島の精神を広めるため、国連は『ヒロシマの日』を設け、世界に伝えるべきだ」と提案した。14日まで広島であったノーベル平和賞受賞者世界サミットに出席。日本を離れるのを前に会見した。

 ダライ・ラマは、被爆の実態を伝える重要性に触れ「世界にある程度行き渡っているかもしれないが、さらに努力が必要だ」と指摘。「北朝鮮や中国など閉鎖的な国の人たちに原爆資料館を見学してもらい、知識層の教育につなげてほしい」と主張した。

 今年の平和賞受賞が決まった中国の民主活動家劉暁波氏(服役中)について、「中国政府が解放することを願っている」との声明を発表した。厳しい情報統制を続けている中国政府を「政府は国民に奉仕するためにあり、欺くためにあるのではない」と批判した。


平和賞サミット ダライ・ラマ出席 中国人が抗議デモ


■記者 教蓮孝匡

 広島市在住などの中国人約120人が14日、ノーベル平和賞受賞者世界サミット会場の平和記念公園の周辺で、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が出席したことにデモで抗議した。

 「母なる中国の恩を忘れるな」と書いた旗を掲げ、「国を分裂させるな」などと叫んだ。これに対し、平和賞受賞者でイランの人権活動家シリン・エバディ氏たちがデモに近づき、中国政府を批判する場面もあった。

(2010年11月16日朝刊掲載)

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