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ブッポウソウ 平和の心育む 三次市作木の園児 切り絵や折り鶴 来月「原爆の子の像」へ

 広島市三次市作木町のさくぎ保育所の園児32人が、同町に数多く飛来する夏の渡り鳥ブッポウソウの切り絵と折り鶴で、平和の願いを込めたボードを作った。三次市が9月中旬、市内で募った折り鶴と一緒に広島市の平和記念公園にある「原爆の子の像」に手向ける。(野平慧一)

 ボードは、段ボール製で縦約80センチ、横約110センチ。同保育所の職員が中央にブッポウソウの形に切り抜いた色画用紙を貼り、周りに園児や保護者が折った約340羽の鶴を飾り付けた。「ブッポウソウの舞う幸せなまち さくぎ」の文字を添えた。

 同保育所の菊地明江保育士(43)が「希少な鳥が作木に飛んでくるのは平和な世の中だからこそ、ということを子どもたちに感じてほしい」と企画。7月上旬から1カ月かけて作った。

 同保育所では、平和学習の一環で、原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんの一生を描いたDVDの鑑賞や絵本の読み聞かせにも取り組んでいる。

 年長組の桟敷陸君(6)は「みんながずっと平和に暮らせるように願いながら折った。たくさんの人に見てもらいたい」と話す。

 ブッポウソウは、環境省の絶滅危惧種に指定されており、同町では住民たちが巣箱を掛けるなど保護活動に取り組んでいる。市は近く、「市の鳥」に指定する方針。

(2014年8月31日朝刊掲載)

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