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「次」にらみ どう存在感 外相・岸田さん 核軍縮進展に意欲/地方創生相・石破さん 人口減克服に挑む 第2次安倍改造内閣

 3日発足した第2次安倍改造内閣では、岸田文雄さん(57)=広島1区=が引き続き外相を務め、自民党前幹事長の石破茂さん(57)=鳥取1区=が新設の地方創生担当相に就いた。安倍晋三首相が長期政権を見据える中、「ポスト安倍」と目される中国地方選出の2人が改造内閣に名を連ねた。(城戸収、藤村潤平)

 北朝鮮による日本人拉致問題の進展や日中首脳会談の実現など、さまざまな外交課題に直面している岸田さん。「これまで築いたネットワークを活用し、地球儀を俯瞰(ふかん)する外交を進める」。初閣議後の記者会見では、慎重な言い回しにも決意をちりばめた。

 被爆地広島を地盤とする外相として、「ライフワーク」という核軍縮の取り組みもアピールした。

 石破さんは政権の看板政策である地方創生に挑む。人口減少問題の克服や、アベノミクス効果を地方に広げることが主なテーマだ。官邸で記者団に「これまでのやり方を根本的に改めることがあるかもしれない。反対もあると思うが、乗り越えねば新しい国家はできない」と抱負を語った。

 改造内閣で重責を担う2人だが、首相との距離感は対照的だ。

 岸田さんは党内のハト派「宏池会」会長。ただ、首相が閣議決定に突き進んだ集団的自衛権の行使容認をめぐって派閥内の批判を抑えたほか、首相の靖国神社参拝を擁護する姿勢も見せた。安定した国会答弁も含めて首相の信頼を得ているとされ、早々と続投が決まった。

 一方、ポスト安倍として真っ先に名前が挙がる石破さんは今回、来年9月の党総裁選をにらんだ動きを見せた。首相が打診した安全保障法制担当相を蹴り、一時反旗を翻した格好に。首相とのぎくしゃくした関係を露呈した。

 首相の後継レースに名乗りを上げるには今後、存在感を示すことが問われる。初閣議後の会見で、2人はまずは政権を支える覚悟を強調した。

(2014年9月4日朝刊掲載)

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