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在韓被爆者支援に尽力 民団で特別委員長 姜文熙さん死去 95歳

 在日本大韓民国民団(民団)県地方本部で長年、原爆被害者対策特別委員長を務めた姜文熙(カンムンヒ)さんが8月15日に95歳で亡くなっていたことが5日、分かった。ゆかりの人たちから、在韓被爆者の支援に尽くした功績をたたえ、温かい人柄をしのぶ声が上がった。

 韓国中西部、忠清南道出身の姜さんは戦前、広島市に移住。26歳の時、江波町(現中区)の軍需工場で被爆し、父と弟を亡くした。戦後は県地方本部の設立に携わり、在韓被爆者の実態調査や支援に取り組んだ。

 県地方本部の丁基和(チョンキファ)事務局長(55)=東区=は「いつも若手を優しく励まし、道を示してくれた。被爆者支援の取り組みをしっかり継承したい」と話した。

 ここ10年は入院生活を続けていたが、2010年8月6日には、市の平和記念式典に参列した国連の潘基文(バンキムン)事務総長と面会、核兵器廃絶の夢を託した。県被団協の坪井直理事長(89)=西区=は「穏やかだが、心(しん)が強く、実のある人。ああなりたい、と思う人物だった」と悼んだ。(田中美千子)

(2014年9月6日朝刊掲載)

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