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女性の活躍 撮り続ける 笹本さん「挑む姿学んで」 あすから広島で100歳記念展

 日本初の女性報道写真家、笹本恒子さん(東京都渋谷区)の100歳を記念した写真展が11日から、広島市中区の福屋八丁堀本店で始まる。作家や俳優たち人物を中心に撮影してきた笹本さん。「大臣や社長の半数以上が女性という日が来て、活躍する女性を撮りたい」と生涯現役としての意欲をみせる。

 会場には134点が並ぶ。76歳から撮り始めた代表作「明治生まれの女性」シリーズでは俳優杉村春子(広島市中区出身)、作家宇野千代(岩国市出身)、歌手淡谷のり子たち往年のスターの素顔に出会える。

 「杉村さんは夫を亡くす不幸に遭いながらも、演劇界の中心的存在であり続けた。気骨ある姿を記録したかった」と振り返る。「彼女たちを知ってもらい、苦労を恐れず新しいことに挑戦してほしい」。来場者に届けたいメッセージだ。

 夕暮れの原爆ドームの手前に立ち並ぶ盆灯籠(1953年)もある。家族や家を奪う戦火を表現。「あらためて平和の大切さについて考えて」と願う。(坂田茂)

 ≪笹本恒子 100歳展≫16日まで。午前10時~午後7時半。金、土曜は午後8時、最終日は同5時まで。入場料500円、60歳以上と高校生以下無料。中国新聞社などの主催。福屋八丁堀本店Tel082(246)6111。

ささもと・つねこ
 1914年東京都生まれ。画家志望だったが、知人の紹介で1940年に財団法人写真協会に入る。木村伊兵衛、土門拳たち日本を代表する写真家の間近で技術を磨いた。戦後はフリーの写真家として新聞や雑誌に作品を発表。写真集は「輝く明治の女たち」「恒子の昭和」など。

(2014年9月10日朝刊掲載)

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