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「日本と協力し核廃絶を訴え」 カザフ下院議長 広島を訪問

■記者 金崎由美

 旧ソ連の核実験場があったカザフスタンのオラル・ムハメジャノフ下院議長が22日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、自国の核被害とヒロシマを重ね合わせた。

 ムハメジャノフ議長は衆議院の招きで来日した。原爆慰霊碑に花を手向け、前田耕一郎館長の案内で原爆資料館を見学。「あの日」の惨状を伝える遺品に触れ「どんなに悲惨な事があったのかを目の当たりにし、衝撃を受けた」と語った。

 さらに、広島国際会議場での広島大主催の講演会に臨んだムハメジャノフ議長は「核兵器が世界からなくなるまで、日本とカザフスタンは協力して訴えていくべきだ」と呼び掛けた。

 カザフスタンでは、セメイ(旧セミパラチンスク)で1989年までに約450回の核実験が行われ、100万人以上が被曝(ひばく)した。その経験から独立後に旧ソ連が配備していた核兵器を放棄。昨年発効した中央アジア非核兵器地帯条約の成立にもかかわった。

(2010年11月23日朝刊掲載)

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