×

ニュース

ベント設備、完了遅れ来年3月末に 島根2号機 年度内の再稼働困難に

 中国電力は12日、島根原子力発電所2号機(松江市鹿島町)の再稼働に必要なフィルター付き排気(ベント)設備の設置完了の目標が、当初の9月末から来年3月末にずれ込むことを明らかにした。2号機は国が適合性審査中で、ベント設置後も審査が必要なことから、本年度中の再稼働は困難になった。

 原発30キロ圏の島根、鳥取両県と両県6市の担当者18人を集め松江市で開いた会議で示した。

 ベントは事故時に原子炉格納容器の圧力を下げるため、放射性物質を薄めて蒸気を排出する設備。原子力規制委員会の指摘を受け、中電は5月、ガス状の放射性ヨウ素を取り除くフィルターの新設を決めたが、設計に難航。フィルターの原発への搬入は来年1月以降の見込みで、設置にも時間がかかるため目標を本年度中に変更した。再稼働には、審査に「合格」することに加え、立地する島根県と松江市の同意が必要になる。

 また、事故対応の指令拠点となる免震重要棟も、空調工事が遅れ、当初の9月末から10月中の完成に目標を変更。規制委の指摘で実施している原発の南約2・5キロの宍道断層(約22キロ)の追加調査は、活断層の長さを確定するための掘削調査「ピット調査」を今月17日から実施。終了は当初の8月下旬から10月中とした。

 中電島根原子力本部の長谷川千晃副本部長は2県6市の担当者に「安全対策の延長は大変申し訳ない。より良い施設を造るため理解してほしい」とした。(松島岳人)

(2014年9月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ