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社説・コラム

ピープル:福山市の大門高3年中村祐理さん 平和の大切さ同世代で共有

 「平和への思いを先導するというより、同世代と共有していきたい」と言うのは福山市の大門高3年中村祐理さん(17)。第17代高校生平和大使の1人として8月にスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪れ、核兵器廃絶を訴えた。

 小さいころから核兵器の問題には漠然と関心はあったが、自分に何ができるか分からなかったという。でも、小学4年で原爆資料館(広島市中区)を初めて見学した時、被爆体験を語ってくれた女性から「大きくなったらこの話を次の世代に伝えて」と言われて気付いた。「被爆体験を直接聴ける自分たちだからこそ次世代への懸け橋になれる」

 スイスでは街頭で署名を集めた。国連幹部とも面会し、「高校生が立ち上がるのはすごい」と言われたことも励みになった。「同世代に関心を持ってほしい。それが被爆者の心の支えになると思う」。卒業後も大学に舞台を変え、平和の大切さを訴える活動を続けるつもりだ。

(2014年9月13日朝刊掲載)

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