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芸術家が見る水爆・ゴジラ きょうから埼玉で企画展

 ビキニ水爆実験から60年の節目を受けた企画展「第五福竜丸 ゴジラ 1954→2014」が13日から、埼玉県東松山市の原爆の図丸木美術館で始まる。ヒロシマ、ナガサキに続く「核の恐怖」が、現在までにどのようにつながってきたかを3人の芸術家の視点から伝える。11月15日まで。

 第五福竜丸などが被曝(ひばく)したビキニ水爆実験を機に始まった原水爆禁止世界大会。このポスターを手掛けた日本を代表するグラフィックデザイナー故粟津潔さんの作品約40点を展示する。水爆実験や広島・長崎の原爆投下を題材にしてきたイラストレーター黒田征太郎さんは、故丸木位里・俊夫妻の「原爆の図」に触発された約100点を描き下ろした。

 武蔵野美術大の長沢秀之教授は、ビキニ水爆実験を受けて製作された怪獣映画「ゴジラ」との対比で、2011年の東京電力福島第1原発事故を「小さなゴジラ」と位置付けて創作している。今回は、学生とともに制作した油絵や彫刻など約30点を並べる。長沢教授は「ゴジラは60年前の核の恐怖から生まれた想像物。福島の事故の爪痕や不安も、別のゴジラとなりうる」と説明する。

 入場料は一般900円。休館日は月曜、月曜が祝日の場合は翌火曜。同美術館Tel0493(22)3266。(藤村潤平)

(2014年9月13日朝刊掲載)

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