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高暮ダムで平和の集い 高野 過酷労働の犠牲者悼む

 戦時中、庄原市高野町の高暮(こうぼ)ダムの建設で過酷な労働を強いられ、犠牲となった朝鮮人を悼む「高暮平和の集い」が14日、ダム近くの追悼碑前であった。住民や広島都市圏の中学、高校、広島朝鮮初中高級学校の生徒、教員たち約100人が参加。戦争や差別のない社会の実現を誓った。(伊東雅之)

 主催する高暮自治会の草谷洋会長(58)が「尊い命が犠牲になった過去を学び、何をしていくべきなのか問い直す機会にしてほしい」とあいさつした。

 日本側6校20人の生徒を代表して安田女子高2年の宮本佑香さん(17)と崇徳高2年の関内龍希君(16)が「基礎工事だけでも20~30人は死んでいる」などと過去の聞き取り調査の証言を紹介。「私たちには、きちんと歴史を学び、同じことを繰り返さない責任がある」と誓った。

 高級部の9人が出席した朝鮮学校からは李智順(リジスン)さん(16)が「異国の地で亡くなった同胞の分まで一生懸命学び、過去の惨状を繰り返さぬよう平和で幸せな社会を築いていきたい」と述べた。

 関係者などの証言から高暮ダムでは1940年の着工から約2千人の朝鮮人が過酷な労働を強いられたことが分かり、95年、追悼碑が建立された。集いは2000年から開かれている。

(2014年9月15日朝刊掲載)

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