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安保理の役割・課題 国連大学長が講演 広島で公開講座

 国連安全保障理事会の役割や課題を考える公開講座が15日、広島市中区の広島国際会議場であった。国連大学(東京)のデイビッド・マローン学長が講演し、約90人が聞いた。国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所と中国新聞社の主催。

 マローン学長は「国連安全保障理事会の未来」と題し、国際平和と安全の維持に安保理が果たしてきた役割などを話した。冷戦の終結後、紛争が国家間から国内へと変わる中で、安保理が虐殺などの人道危機、紛争の拡大などに対応してきたと紹介した。

 一方、中東で勢力を拡大する過激派組織の「イスラム国」への対応、シリア内戦への介入などで、決定権を持つ5常任理事国の意見の違いから有効な対策を示すことができない現状にも触れた。「介入や国家主権についての意見の違いは、今後も不安定要因になるだろう。国際社会としていかに同意を取り付け、争いを解決するかが問われる」と強調した。

(2014年9月17日朝刊掲載)

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