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ヨウ素剤 原発30キロ圏も 島根県検討委方針 希望者に配布

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故に備え、甲状腺被曝(ひばく)を予防する安定ヨウ素剤の配布方法を協議する島根県の検討委員会が16日、松江市であった。事前配布する方針を決めていた原発5キロ圏に加え、30キロ圏の希望者に事前配布することを決定。方針を盛り込んだ意見書を月内に県へ提出する。

 意見書案によると、最も早く避難する原発5キロ圏(約1万人)には順次、住民説明会を開いて配る。一方、5~30キロ圏(約38万4千人)は希望者に限って説明会などを通じて配ると規定。ただこれまで希望者数を調べたことはなく、スムーズに進むかは未知数だ。

 約1万人いる粉末タイプを使う3歳未満の子どもについては、服用量の調整に手間を要するなどとして「早期避難を最優先」と記すにとどめた。だが保育所で保護者の迎えを待つケースも想定されるため、委員からは「非現実的だ」との声も。猪俣泰典委員長は会合後「保育所ごとの対応が必要」と県、30キロ圏県内4市のさらなる検討を求めた。

 一般的な錠剤タイプは30キロ圏の全保育所、幼稚園、学校、社会福祉施設に備蓄する。現在県は、4市の市役所などに計76万9千錠を保管している。(樋口浩二)

(2014年9月17日朝刊掲載)

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