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秋信さんの功績しのぶ 広島で原爆小頭症患者ら

■記者 野田華奈子

 胎内被爆した原爆小頭症患者の支援に尽力し、9月に75歳で亡くなった元中国放送常務の秋信利彦さんをしのぶ会が28日、広島市中区の原爆資料館であった。秋信さんが設立にかかわった患者や家族でつくる「きのこ会」の会員や関係者約40人が功績をしのんだ。

 黙とうの後、長岡義夫会長が「社会から厳しい目にさらされてきた私たちを最善の方向に導いてくれた」と弔辞を述べた。患者たちも「もっと長生きしてほしかった」などと惜しみ、亡くなる直前まできのこ会のことを気に掛けていた秋信さんの思い出を語った。

 また、放射線影響研究所(広島市南区)の前身、原爆傷害調査委員会(ABCC)の元職員は1960年代、小頭症患者の存在を世に伝え支援につなげようと非公開だった患者リストを関係者に渡したことを打ち明けた。

 秋信さんは、原爆小頭症患者の存在を社会に伝え、晩年まで支援を続けた。75年には昭和天皇の記者会見で原爆投下について質問した。

(2010年11月29日朝刊掲載)

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