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被爆者の碑 岡山に新設 既存の高梁 訪問減受け

■記者 平川勝憲

 岡山県原爆被爆者会(約1100人)は1日、被爆65周年記念事業として岡山市中区奥市の奥市公園に「県原爆被爆者之碑」を建てた。会員が高齢化し、高梁市の丘の上にある「県原爆慰霊碑」を訪れるのが困難になったため、新たに設けた。

 この日、現地で除幕式があり、会員たち約20人が出席。妹尾要会長(79)が「気軽に訪れることができ、たくさんの人の目に触れて後世に原爆の歴史を語り継ぐにも最適な場所に建てることができた」とあいさつ。会の役員で碑と経緯を刻んだ碑文を除幕した。

 用地は護国神社の参道脇で、市から借りた。碑は御影石を使い、幅1メートル、高さは台座を含めて2.8メートル。費用約250万円は会員の積立金や募金、県の補助などで賄う。

 これまでの県原爆慰霊碑は1972年に建立。高梁市中心部から約1キロの道は傾斜が急で、1998年に慰霊祭の会場を碑前から麓へ移して以降、訪れる人もめっきり減った。妹尾会長は「これで何年たっても県内に被爆者がいたことがわかってもらえる」と感慨深そうに話した。

(2010年12月2日朝刊掲載)

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