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式典のあゆみ 冊子に 「山口のヒロシマデー」40回 ゆだ苑 被爆者支援の歴史も

 県原爆被爆者支援センターゆだ苑(山口市元町)は、ことし40回目を迎えた山口原爆死没者追悼・平和式典のあゆみをまとめた冊子「いのりとちかい」を作った。

 冊子はA4判207ページで、表紙に青の千羽鶴をデザインした。1973年9月6日、山口市江良の「原爆死没者之碑」の近くで、広島から運ばれてきた13体以上の被爆軍人の遺骨を発掘したことにちなみ、この日を「山口のヒロシマデー」と命名。75年から毎年開催してきた式典の歴史を紹介している。

 被爆軍人のカルテの追跡調査を契機に国や県、大学生の協力を得て発掘作業にこぎ着け、碑建設の募金活動をした経緯も、写真や回想文で盛り込んだ。

 式典で発表する平和宣言を、資料が見つからなかった第2回を除き39回分掲載。86年のチェルノブイリ原発事故や翌年の米ソ中距離核戦力全廃条約締結、95年の被爆者援護法施行や財政難に伴うゆだ苑の不動産売却、被爆者保養業務の廃止などを伝える。

 今月6日の式典に合わせて千部発行し、約400部を参加者に配布。残りを希望者に渡す。吉崎博専務理事(65)=同市平井=は「県内の被爆者の実態を掘り起こし、支援をしてきた歴史を多くの人に知ってほしい」と話した。(柳岡美緒)

(2014年9月23日朝刊掲載)

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