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中電16年にも域外売電 自由化受け方針固める

 中国電力が2016年4月にも供給エリア外での電力小売りを始める方針を固めたことが27日、分かった。子会社を通じ、需要の大きな関西地方や首都圏などで売るとみられる。家庭向けも含めた電力小売りが16年にも全面自由化されるのを受け、初めてエリア外での小売りに乗り出す。

 中電が100%出資する子会社のエネルギア・ソリューション・アンド・サービス(ESS、広島市中区)が26日、特定規模電気事業者(新電力)として電気を売る届け出を経済産業省に出した。中電は「16年4月から新電力事業をする。出力や事業エリアなど具体的な事業計画は今後検討する」としている。

 ESSは工場などが持つ自家発電設備や電力の卸売市場、中電から電力を調達。中国地方内外の家庭や企業に電力を販売する。ESSは既に大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設、商業施設や工場向けの節電支援を展開。電力小売りもセットにして販売力を強める。

 中電は電力小売りの自由化に伴う競争激化に備え、従来の供給エリアを越えた事業展開を目指している。首都圏ではJFEスチール(東京)や東京ガスと共同で火力発電所を建設し、東京電力へ売る方向で検討。防府市にも石炭と木質バイオマス(生物資源)の混焼発電所を建設し、新電力へ売る方針でいる。

 東電は10月に供給エリア外の企業向け売電を始めるなど、他の電力会社にもエリア外での供給を目指す動きが増えている。(山瀬隆弘)

(2014年9月28日朝刊掲載)

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