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被爆証言「受け継いで」 広島の三宅さん 地元高校に新聞パネル

 旧広島市立第一工業学校3年の時に被爆した南区の自営業三宅敏行さん(84)が、中国新聞に載った自分の被爆証言記事の拡大パネルを、母校があった場所に立つ市立広島工業高(南区)に寄贈した。平和学習に役立ててもらう。

 記事は、2012年10月22日付で、被爆者に体験を聞く連載「記憶を受け継ぐ」の一つ。あの日、建物疎開作業に向かう途中、爆心地から約1・7キロの比治山の麓で被爆し、右半身にやけどを負った様子や、一緒にいた級友を失った悲しみを抱えながら、平和を願う思いがつづられている。

 三宅さんは、紙面を横70センチ、縦120センチに拡大。パネルにして同校の荒木猛校長に手渡し、「原爆を知らない生徒たちに悲惨さを伝え、平和な世界をつくってもらいたい」と訴えた。荒木校長は「身近な先輩の声は、同じ場所で学ぶ生徒たちの心に響くだろう。平和学習に活用する」と感謝していた。(山本祐司)

(2014年9月29日朝刊掲載)

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