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被爆者の人生 一枚に 原爆ドーム前で写真作品撮影 広島市中区

 東京都を拠点に活動する写真家の宇佐美雅浩さん(42)が29日、広島市中区の原爆ドーム前に被爆者や母子たち500人以上を配し、被爆者の人生を表現する写真作品を撮影した。

 広島で9歳の時に被爆した早志百合子さん(78)を中心に、右側では喪服姿の被爆者たち約400人がきのこ雲の大きな写真の下でダイイン。左側は色とりどりの花の中に赤ん坊や妊婦が座る。被爆時と復興した街を対比させ、早志さんの人生の軌跡を描き出した。

 困難に向き合いながらもたくましく生きる人の姿を曼荼羅(まんだら)に似せた構図で写す企画の一環。撮影後に感極まる早志さんを見た宇佐美さんは「原爆の悲劇を繰り返さないという彼女の強い思いが表せた」と語った。(余村泰樹)

(2014年9月30日朝刊掲載)

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