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黒い雨 集団訴訟提案へ 被害者の会連絡協議会 援護区域拡大求める

 広島県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会(高野正明会長)の役員会が、黒い雨被害の援護対象区域の拡大を国に求め、集団訴訟に踏み切る方針を固めたことが1日、分かった。安芸太田町の集会所で3日、臨時の代表者会議を開いて提案し、協議会として提訴を最終判断をする。

 会議には、広島市や近郊の5支部から約30人が出席予定。役員会が提案する集団訴訟が承認されれば、提訴に向けた具体的な日程を決め、地域ごとに原告を集めていくという。

 被爆者健康手帳の取得につながる黒い雨被害の援護対象区域をめぐっては、県や市などが2010年、現行の約6倍に広げるよう国へ要望した。12年に厚生労働省が見送ったため、協議会は集団訴訟を検討。手法について弁護士と相談を重ねていた。

 高野会長は「国は住民の声を無視しており、泣き寝入りできない。被害者は高齢になっており、訴訟に踏み切るかどうか早急に決めたい」と話している。(田中美千子)

(2014年10月2日朝刊掲載)

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