『書評』 郷土の本 「核兵器を禁止する」 核廃絶運動や政策など概説 ピースボート 川崎共同代表
14年10月6日
核兵器禁止条約を作ろうとする機運が国際社会に到来している。「核兵器を禁止する」=写真=は、核兵器廃絶国際キャンペーンの国際運営委員で非政府組織(NGO)ピースボート(東京)共同代表の川崎哲氏(45)が、非人道性をめぐる動き、各国の政策、市民運動などを概説する。
核兵器は、生物・化学兵器とともに大量破壊兵器とされるが、その中で唯一国際法で禁止されていない。世界に1万6千発以上が存在、大部分が数分以内で発射できるという。
核兵器禁止条約の構想は核拡散防止条約(NPT)から換えるのではなくNPTに加える。国際人道法の観点から成立した対人地雷とクラスター爆弾の両禁止条約に倣う。法的禁止、廃棄・解体、核兵器のない状況維持という段階がある。
新たなプロセスでは、核兵器の「人道上の影響」に関する国際会議が注目される。12月にオーストリア・ウィーンで第3回会議を予定、現行の国際規範を初めて取り扱う。来年春にはNPT再検討会議が開かれる。著者は戦後日本が掲げる平和主義によって世界をリードしようと提案する。64ページ、562円。岩波ブックレット。(祖川浩也)
(2014年10月5日朝刊掲載)
核兵器は、生物・化学兵器とともに大量破壊兵器とされるが、その中で唯一国際法で禁止されていない。世界に1万6千発以上が存在、大部分が数分以内で発射できるという。
核兵器禁止条約の構想は核拡散防止条約(NPT)から換えるのではなくNPTに加える。国際人道法の観点から成立した対人地雷とクラスター爆弾の両禁止条約に倣う。法的禁止、廃棄・解体、核兵器のない状況維持という段階がある。
新たなプロセスでは、核兵器の「人道上の影響」に関する国際会議が注目される。12月にオーストリア・ウィーンで第3回会議を予定、現行の国際規範を初めて取り扱う。来年春にはNPT再検討会議が開かれる。著者は戦後日本が掲げる平和主義によって世界をリードしようと提案する。64ページ、562円。岩波ブックレット。(祖川浩也)
(2014年10月5日朝刊掲載)