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社説・コラム

永田町発 自民1強時代に 民主最高顧問・江田五月氏(参院岡山) 新執行部で党再生推進

  ―海江田万里代表が新執行部を発足させました。挙党体制は築けますか。
 海江田代表は発信力が弱くてだめだ、と非難する声が党内にあった。今回、岡田克也氏が代表代行、枝野幸男氏が幹事長に就き、ベテランが代表を支える体制ができた。政権担当時の体たらくが響いているのは事実だが、海江田新体制でまとまりが見え、良い方向に進み始めた。

  ―野党再編より自党再生を優先する声が大勢です。与党に対抗できますか。
 今の民主党には政策の違いを超え、野党全体を包み込むだけの力はない。一つの党と手を組めば、政策の違う別の野党が離れてしまう状況だ。民主党がしっかりした体制にならないと野党はまとまらない。まずは国会論戦などで共闘関係を強め、党再生や野党間の選挙協力につなげていく。

  ―集団的自衛権の対応などで、党にまとまりが欠けるイメージがあります。
 集団的自衛権に関しては、閣議決定による行使容認は党として反対。確かに違う意見はあるが、どこの党も同じだ。

 1998年、寄せ集めで結党した民主党は、11年かけて政権交代を実現した。甘えてはいないが、政治は一定の時間軸の中で考えないといけない。政権交代は民主主義を動かす大原理。それを経験したのは民主党しかない。弱ってはいるが組織や経験など核の部分がある。やせても野党第1党。責任は重いと感じている。

  ―臨時国会でどう存在感を示しますか。
 安倍政権は、ちぐはぐな政策を進めているのに支持率が高い。国民は錯覚に陥っているのではないか。アベノミクスの効果を国民は実感できているか。円安でガソリンが値上がりし、暮らしに影響が出ている。株高の恩恵も中小零細企業は受けていない。

 女性の活躍推進を掲げるが、「男性原理」である雇用の場をそのままにして働く女性を増やすのには無理がある。地方創生も、今の中央集権体制のままでは地域の良さを生かせない。国民に誤解や錯覚をもたらしている部分を追及する。

  ―来春の統一地方選にはどう臨みますか。
 党再生の第一歩にしたいが、起死回生のホームランとはいかないだろう。2012年の衆院選、13年の参院選の大敗で受けた傷は深く、統一地方選まで影響は続くと覚悟しないといけない。まずは党の旗を掲げて選挙を戦う人を増やしたい。女性の擁立も意識的に進める。(聞き手は坂田茂)

(2014年10月6日朝刊掲載)

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