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軍縮会議 広島市名乗り 来年8月下旬 近く国連に文書

 来年の被爆70年に合わせて国連軍縮会議の誘致を目指す広島市が近く、国連に開催要請書を提出し、正式に名乗りを上げることが7日、分かった。開催時期は8月下旬を予定。各国の外交官や研究者の討議が中心だった従来の形を改め、為政者にも参加を呼び掛ける。被爆の実態に触れ、核兵器廃絶へ指導力を発揮してもらう狙いがある。

 会議は国連軍縮部と国連アジア太平洋平和軍縮センターが日本でほぼ毎年開いている。国連は年内に開催地を決定、公表する見通し。他に誘致の動きはなく、広島開催は確実とみられる。

 参加者は約100人を想定。来年は5年に1度、各国政府が核軍縮を話し合う核拡散防止条約(NPT)再検討会議が4~5月に米ニューヨークで開かれるため、同会議が成功すれば、広島でも「核兵器のない世界」実現を加速する活発な議論が予想される。半面、失敗すれば、機運がしぼみ、軍縮の停滞打破は重いテーマになりそうだ。

 会議は1989年、当時の竹下登首相が提案し、京都市で初開催。外交官たちが個人の立場で参加し、核軍縮や不拡散を話し合ってきた。広島市は92、94、96年に誘致した。会場費や、出席者の宿泊費などの地元負担金が必要で例年、約4千万円かかる。広島県と市で折半する見通しだ。

 昨年9月、岸田文雄外相(広島1区)が広島開催の検討を表明。松井一実市長は、為政者に出席を働き掛けることを条件に受け入れへ前向きな姿勢を示し、外務省などと調整を進めていた。(田中美千子)

(2014年10月8日朝刊掲載)

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