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更新審査「適切に」 原爆症手当 厚労省 ばらつき防止徹底

 厚生労働省は7日、被爆者援護対策を担当する全国の自治体担当者を省内に集め、原爆症の医療特別手当(月額約13万5千円)の更新審査に関する会議を省内で開いた。昨年末の原爆症認定の基準見直しに伴う審査の厳格化により、審査結果が自治体でばらついているのを受け、適切な運用を求めた。

 各都府県と広島、長崎両市の計54人が出席した。厚労省被爆者援護対策室の担当者が、別の部位でのがんの再発など、医療特別手当の支給を継続できる条件を具体的に説明。各自治体の意思統一を図った。

 非公開の会議後、伊沢知法室長は「同じ病歴や治療中の原爆症患者への審査結果が、自治体ごとに異なることがあってはならない」と強調。「各自治体が今後、非継続と判断した事例で不適切なケースがあれば自主的に見直しが進められると思う」と話した。

 厚労省は、本年度の原爆症認定の更新から審査を厳格化。医師が被爆者の受診状況などをより具体的に記載するよう書類の書式を見直し、「要医療性」の有無を詳しく確認している。

 同省の7月末時点の集計では、広島市は1426人のうち277人が非継続となり、特別手当(月約5万円)に切り替えられた。一方、長崎市は634人のうち非継続は9人。自治体によって認められない割合にばらつきが出ており、一部で適切に審査されていない可能性が指摘されていた。(藤村潤平)

(2014年10月8日朝刊掲載)

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