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被爆証言の継承へ映像化 岩国被害者の会 小学校で初収録

 岩国市原爆被害者の会(藤本伸雄会長)は、被爆証言を後世に残そうと映像化に乗り出した。7日、岩国市平田の平田小で会員が証言するのに合わせて、初めての収録があった。(増田咲子)

 この日は、NPO法人岩国パソコンの会理事の南部博彦さん(79)=岩国市平田=が協力し、撮影を担当した。6年生に証言した被爆者4人のうち、最高齢で、岩国市原爆被害者の会副会長の大下美津さん(90)=岩国市平田=の証言する様子をビデオカメラに収めた。

 長崎県で看護師をしていた大下さんは、1945年8月9日の長崎への原爆投下で傷つき、病院へ運ばれた人たちの様子を振り返り、「地獄のようで、痛ましい状況だった」と振り返った。「命を大切にしてほしい」と児童に訴えかけた。

 証言の映像化は来年の被爆70年を目標に取り組む。大下さん以外の同会の「語り部」4人についても、学校などで証言する際に撮影する。DVDに収め、同会が開く原爆展の会場で流したり、貸し出したりする。

 藤本会長は「高齢化が進む中、記録を残すことが使命だと思う。幅広く活用してもらえるようにしたい」と話している。

(2014年10月8日朝刊掲載)

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