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6ヵ国語で9条発信 原子核物理学者 故木村さん長女

■記者 森田裕美

 被爆直後の広島、長崎で放射線測定に携わった原子核物理学者故木村一治氏の長女、木村宥子さん(67)=奈良市=が、被爆桜の写真をあしらい、憲法9条を6カ国語で紹介したクリアファイルを作った。配布や販売を通じて非戦を広く訴える。

 表に江波山(中区)のヒロシマエバヤマザクラの写真が印刷され、下側に日、英、中国、フランス、スペイン、韓国の6カ国語で9条全文が記されている。裏は透明。ファイルはA4判で3万枚製作した。

 広島市で9月、主要国(G8)下院議長会議(議長サミット)が開催されることが決まり、木村さんが「戦争放棄をうたう9条の精神を広める好機。日常的に使う物がいい」と製作を思い立った。

 写真は、毎年作っている「非核・非戦カレンダー」の2008年版でも提供を受けた、広島市中区の被爆者細川浩史さん(80)に依頼。細川さんは「9条があれば被爆者は生まれなかった。役に立ちうれしい」と喜ぶ。

 木村さんは国内外の友人たちに送るほか、議長サミット期間中に広島市内で配る手法も検討している。4枚セットで500円。希望者は木村さんファクス0742(71)1827。メールymkimu@ares.eonet.ne.jp

(2008年6月13日朝刊掲載)

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