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生き抜いた同期 今年も再会喜ぶ 市女の元女学生

 1943年、広島市立第一高等女学校(市女、現舟入高)に入学した同期生の集いが中区のホテルであった。3年の時に被爆、激動の戦後を生き抜いた元女学生は今年84歳。うち1人が、被爆証言を聞く中国新聞の連載「記憶を受け継ぐ」で取り上げられたこともあって、昨年より16人多い58人が出席し、再会を喜んだ。

 「あなた変わらんねえ」。広島県だけではなく、関東地方や米国からも駆け付け、顔を合わせると懐かしさから笑みがこぼれた。約300人いた同期は原爆で50人が死亡。惨禍をくぐった女学生たちは、学制改革に伴い47~49年に卒業した。60年以上たち、つえを突いたり車いすに乗ったりしながら、近況や学生時代の話に花を咲かせていた。集合写真を撮った後、レストランで乾杯し、会食を楽しんだ。

 「記憶を受け継ぐ」に登場したのは、世話人の稲生(いのう)小菊さん(84)=安芸区。4月28日付の記事は、同窓会報でも紹介され、健在だと知った同期生が参加を申し込んだという。稲生さんは「仲間の絆を一層深めることができた」と喜んでいた。(山本祐司)

(2014年10月13日朝刊掲載)

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