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「核兵器廃絶へ力尽くす」 松江で原爆死没者慰霊式

 島根県内の原爆死没者を悼む慰霊式典が16日、松江市学園南の北公園内の原爆慰霊碑前であった。被爆者や遺族、同市内の小学生たち約200人が参列した。

 昨秋以降に亡くなり、遺族が掲載を希望した県内被爆者17人の名簿を碑に納めた後、県被爆者協議会の原美男会長(87)があいさつ。被爆者の高齢化が進む中、来年4、5月にニューヨークで核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれるのに触れ「被爆者の時間は刻々と少なくなっているが、核兵器なき世界という悲願に向けて力を尽くしたい」と述べた。

 参列した大坂豊夫さん(84)=雲南市木次町=は被爆当時、広島市の造船所に勤務。1週間後、同市役所に勤めていた友人を市中心部で捜し、入市被爆した。「川辺で積み上げられた死体を焼く臭いが今でも忘れられない。もう誰にもあのような体験をしてほしくない」と話していた。

 3月31日現在、県内の被爆者は1318人で、平均年齢は84・61歳。(秋吉正哉)

(2014年10月17日朝刊掲載)

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