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中電が鳥取県支援検討 島根原発の防災対策費用

 中国電力は20日、鳥取県に対して、島根原子力発電所(松江市鹿島町)の防災対策に掛かる費用の負担を検討すると明らかにした。実現すれば、松江市と島根県以外に、島根原発の立地に伴う中電の財政支援は初めてとなる。

 福島第1原発事故後、原子力防災はより広域の自治体に求められている。中電の動きは、税収や交付金などの恩恵の少ない周辺自治体の注目を集めそうだ。

 この日、広島市中区の中電本社を訪れた平井伸治知事に苅田知英社長が表明した。平井知事は、県西部が島根原発の30キロ圏内に入るため防災の専門職員を採用するなど「経費が掛かっている」と主張。「相応の協力を」と求めた。苅田社長は「互いに検討し、良い方向に持っていきたい」と前向きに応じた。

 鳥取県は福島の事故後、原発防災を強化。新設の担当部署に11人を専従させるなど費用が年約1億円増えた。国は2012年、防災対策の重点区域を原発の半径10キロから30キロに拡大。鳥取県は、防災対策の「財源的なめどが立たない状況」(平井知事)という。

 中電は、島根原発の立地する島根県には核燃料税を納めており、松江市には寄付も続けている。(山瀬隆弘)

(2014年10月21日朝刊掲載)

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