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スイス音楽隊 平和の調べ ジュノー氏の功績たたえる 広島市中区

 日本とスイスの国交樹立150年に合わせ、ジュネーブ州政府の公式楽団ランドベール音楽隊が21日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。被爆後の広島に医薬品を届け、治療にも当たったスイス人医師マルセル・ジュノー博士の功績をたたえる式典を市と合同で開き、平和への祈りを込めて曲を奏でた。

 原爆資料館本館前であった式典には、水色のえんび服に身を包んだ19~69歳の隊員50人が参加。松井一実市長や観光客が見守る中、広島市歌やマーチなど計5曲を披露した。

 曲間に、音楽隊のニコラ・クンツ司令官は「この地で演奏でき、誇らしく、感銘を覚える」とあいさつ。公園南の緑地帯にあるジュノー博士の顕彰碑に花輪をささげた。

 音楽隊には、安芸区出身の渡部・ロルバッセール・智誉(ちよ)さん(53)がクラリネットで加わっている。被爆者の母を持つ被爆2世で、音楽留学した30年前からスイスで暮らす。「仲間と古里で演奏でき感激。過ちが繰り返されないようにと祈りを込めた」と話した。

 一行は同日夜、西区民文化センターで渡部さんの母校、鈴峯女子中・高(西区)吹奏楽部との演奏会も開いた。(田中美千子)

(2014年10月22日朝刊掲載)

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