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中電 純利益200億円超え 9月中間決算 5年ぶり高水準

 中国電力の2014年9月中間決算の純利益が、5年ぶりに200億円を超える高水準となることが29日、分かった。夏場の低温で電力需要が低迷したものの、その分、燃料費の高い石油火力発電所の稼働が少なくて済んだ。コスト削減も寄与した。全国の電力会社で見送りが相次ぐ中間配当も続けるとみられる。

 中間決算で純利益が200億円を上回るのは09年の214億400万円以来。11年の福島第1原発事故後は初めてで、3億8600万円だった昨年から急回復する。島根原子力発電所(松江市鹿島町)の全面停止が続く中で大幅な増益となり、通期でも3年ぶりに黒字転換する公算が大きくなってきた。

 4~9月の販売電力量は、気温の低かった夏場の冷房需要の伸び悩みから前年同期より2・8%減った。需要が大きい時にだけ使う、発電単価の高い石油火力発電所の稼働が減り、コストを抑えた。原発停止を受けて取り組む設備修繕の繰り延べなど年670億円規模の経費節減も効いた。

 多くの電力会社は原発停止による経営不振から配当を見送っている。原発の発電比率が低い中電は経営への影響が限定されるため、内部留保を取り崩しつつ、中間、期末とも1株当たり25円の配当を続けてきた。14年9月中間の純利益は配当の原資に必要な約90億円を超え、継続は確実とみられる。

 中電はこれまで、島根原発の再稼働が不透明なため、中間決算の利益と配当予想を「未定」としている。(山瀬隆弘)

(2014年10月30日朝刊掲載)

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