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廃炉判断は越年か 島根1号機で中電社長示唆 国の支援も注視

 中国電力の苅田知英社長は31日、運転開始から40年が過ぎている島根原子力発電所1号機(松江市鹿島町)を廃炉にするかどうかについて「判断時期を言えない」と述べ、時間がかかる見通しを示した。国は10月、老朽原発の廃炉判断を早く示すよう電力業界に求めたが、中電の判断は年を越す可能性も出てきた。

 島根1号機の再稼働には、原子炉圧力容器の劣化を超音波などで調べる特別点検に取り組み、来年7月8日までに原子力規制委員会に結果を提出する必要がある。苅田社長はこの日、広島市中区の本社での会見で「申請時期を踏まえても時間がある。必ずしも年内に判断しないといけないと考えていない」と話した。

 島根1号機の存廃決定に時間を要する理由に「特別点検の検討」を挙げた。必要な点検部位の確認や点検の効率的な手法の検討を続けていると説明した。

 国は島根1号機など運転開始から40年前後の全国7基の廃炉判断を電力会社に促している。一方で、円滑な廃炉を進めるために会計上の損失を減らす特別措置も検討する方針。苅田社長は「廃炉措置の影響を緩和する議論に期待している」と述べ、国の廃炉支援の具体化も注視する姿勢を見せた。(山瀬隆弘)

(2014年11月1日朝刊掲載)

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