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「信念貫いた人」 本島等元長崎市長死去 広島から悼む声

 元長崎市長の本島等氏が亡くなった31日、被爆地広島の関係者からも悼む声が上がった。

 本島氏は1982年の第2回国連軍縮特別総会で広島市の荒木武市長(当時)とともに非政府組織(NGO)代表として演説。85年には平和首長会議の前身、世界平和連帯都市市長会議の第1回総会を両被爆地で開くなどした。任期が4年間重なった元広島市長の平岡敬さん(86)=西区=は「被爆地の市長として共に反核を訴えただけに、驚き、残念だ」と語った。

 本島氏は退任後の97年、原爆ドーム(中区)の世界遺産化について「広島に大戦の反省があれば、世界遺産登録はなかったと思う」などと論文で批判し、物議を醸した。

 広島県被団協の坪井直理事長(89)は直接、原爆投下に関する発言などの真意を問うたことがあるといい「考え方は相いれなかったが、いちずな人だったんだろう。われわれとは違う方法で、一生懸命に平和を追い求めていた」と回顧。もう一つの県被団協(金子一士理事長)の大越和郎事務局長(74)は右翼から銃撃された事件を思い返し「信念を貫いた人という評価はできる」と話した。(田中美千子、岡田浩平)

(2014年11月1日朝刊掲載)

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