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隠岐にハイブリッド蓄電池 国内初 中電が設置へ 再生エネ普及の切り札

 中国電力は14日、本土と送電線がつながっていない島根県の隠岐諸島で再生可能エネルギーを普及させるため、西ノ島町で国内初のハイブリッド蓄電池(出力6200キロワット)の設置に着手する。2015年3月に稼働させ、普及の壁となっている電力の供給調整を担う。6日、現地で起工式があり、苅田知英社長や地元首長たち約60人が出席した。

 約2400平方メートルの敷地にナトリウム硫黄電池(同4200キロワット)とリチウムイオン電池(同2千キロワット)を併設する。太陽光や風力による電力を充電し、供給を自動制御することで電気の損失を抑える。性能の違う電池を使い分け、天候などによる発電量の変動に対応できるのが強みという。

 総事業費は25億円。環境省から19億円の補助を受け、完成後は17年度末まで実証実験をする。蓄電池の設置に伴い、隠岐諸島では隠岐の島町に出力計3千キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)が15年、海士町に同2千キロワットの風力発電所が16年度に稼働する。

 苅田社長は式典後「技術が確立されれば再生エネ導入と電力の安定供給が両立できる」と説明。今後の蓄電池の設置は「管内の可能性がある地点で検討する」と述べた。(樋口浩二)

(2014年11月7日朝刊掲載)

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