「報復より交流」学ぶ イスラエル・パレスチナの10人 被爆者から惨禍聞く
14年11月7日
イスラエルとパレスチナの官僚や経済人たちが6日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、爆心地付近の街並みをコンピューターグラフィックス(CG)で再現している映像作家で、被爆者の田辺雅章さん(76)=西区=から原爆の惨禍について聞いた。
24~47歳の計10人。両親と弟を原爆で失った田辺さんから、米国に抱いた憎しみや、8月8日に疎開先から戻って見た街の光景について聞き取った。
パレスチナの参加者は「どうやって(米国を)許せたのか」と質問。田辺さんは原爆投下を許せないとしつつも、「米国人と実際に話すと、個人への憎しみは持てなくなった」と交流の大切さを訴えた。
証言後は田辺さんの案内で園内を巡った。イスラエル外務省職員のアミラ・オロンさん(47)は「心に響く話だった。私たちはパレスチナの市民と理解を深めなければ」。パレスチナ解放機構(PLO)職員のアブダッラー・アウワドさん(27)は「日本と広島が、報復ではなく復興に力を入れた事実をパレスチナに戻って伝えたい」と話した。
一行は、中東地域の将来を担う若者たちに平和について学んでもらう外務省の事業で来日した。(菊本孟)
(2014年11月7日朝刊掲載)
24~47歳の計10人。両親と弟を原爆で失った田辺さんから、米国に抱いた憎しみや、8月8日に疎開先から戻って見た街の光景について聞き取った。
パレスチナの参加者は「どうやって(米国を)許せたのか」と質問。田辺さんは原爆投下を許せないとしつつも、「米国人と実際に話すと、個人への憎しみは持てなくなった」と交流の大切さを訴えた。
証言後は田辺さんの案内で園内を巡った。イスラエル外務省職員のアミラ・オロンさん(47)は「心に響く話だった。私たちはパレスチナの市民と理解を深めなければ」。パレスチナ解放機構(PLO)職員のアブダッラー・アウワドさん(27)は「日本と広島が、報復ではなく復興に力を入れた事実をパレスチナに戻って伝えたい」と話した。
一行は、中東地域の将来を担う若者たちに平和について学んでもらう外務省の事業で来日した。(菊本孟)
(2014年11月7日朝刊掲載)