×

ニュース

南米被爆者健診 受診者最少79人 広島県医師団が報告

 ブラジルなど南米5カ国の被爆者の健康診断のため広島県が派遣した医師団が6日、県庁で帰国記者会見をした。被爆者の高齢化が進み、8都市で開いた健診に訪れた人は過去最少の79人だった。

 医師団は10月18日~今月1日、ブラジルとアルゼンチン、パラグアイ、ペルー、ボリビアを巡回。心電図や血液など事前の検査結果を基に、68~101歳の79人を問診した。県医師会副会長で医師団の豊田秀三団長は「高血圧と糖尿病の人が多かった。被爆との因果関係は分からない」と振り返った。

 5カ国には被爆者が170~180人いるとみられ、平均年齢は80歳前後。受診者は最も少なかった2000年の80人を下回った。ブラジル・サンパウロ市在住の被爆者で、健診に協力したブラジル被爆者平和協会の森田隆会長(90)は記者会見に同席し、「認知症になったり、体力がなくなったりした被爆者が病院に行けなくなっている」と説明した。

(2014年11月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ