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「島根原発が最優先」 三隅火電の増設前倒し 中電社長

 中国電力の苅田知英社長は6日、三隅火力発電所(浜田市)2号機の新設前倒しの検討に対し、地元の一部が島根原子力発電所(松江市鹿島町)で目指す早期稼働との矛盾を指摘していることについて「島根2、3号機の運転開始が最優先」と述べた。

 三隅2号機の新設前倒しより、原発の早期稼働が重要との認識を表明した形。島根県西ノ島町であったハイブリッド蓄電池設置の起工式後、取材に応じた。

 中電は、2016年の電力小売り全面自由化後に関西電力へ電力を販売するため、関電の競争入札への参加を検討中。応札期限が今月28日に迫る中、苅田社長は「もう少し時間をかけて地元に説明を尽くす」とし、地元理解を得て応札したい意向も示した。

 中電は、三隅2号機の出力を従来計画の40万キロワットから100万キロワットに引き上げ、21~23年度の建設を検討している。一方、島根2、3号機の出力は計219・3万キロワット。原発反対派や県議会最大会派の自民党の一部には「三隅2号建設で中電の供給態勢に余裕が生まれる。原発稼働を目指す理由が付かない」との声が上がっている。(樋口浩二)

(2014年11月7日朝刊掲載)

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