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首長 冷静に受け止め 川内原発再稼働同意 島根原発周辺 反対住民 不安の声

 鹿児島県の伊藤祐一郎知事が九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の再稼働に同意した7日、中国電力島根原発(松江市鹿島町)の地元首長に冷静な受け止めが広がる一方で、再稼働に反対する住民には憤りや不安が募った。

 島根2号機は原子力規制委員会の適合性審査を受けている。審査後に再稼働の是非を判断することになる島根県の溝口善兵衛知事は「政府の方針、県議会や立地市の対応、住民説明会などの状況を総合的に勘案し、判断したと考える」とコメント。松江市の松浦正敬市長も「十分な審査の結果や国の対応状況を踏まえた判断」と受け止めた。

 県西部が原発30キロ圏に入る鳥取県の平井伸治知事は、国や中電に「(立地自治体以外の)周辺地域の意向も含めて判断をするよう」求める考えを示した。

 「川内原発も事故時の広域避難計画の実効性に疑問が残ると聞く。安全性も十分検証されたと思えない」と憤るのは市民団体「さよなら島根原発ネットワーク」の杉谷肇共同代表(72)。「島根原発もこのまま再稼働に突き進むのか不安」と話した。

 中電は「コメントする立場にない」とし、島根原発の再稼働に向けては「安全対策や審査の対応に着実に取り組んでいく」とあらためて意欲を示した。(松島岳人、川崎崇史、山瀬隆弘)

(2014年11月8日朝刊掲載)

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