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被爆ピアノ「里帰り演奏」 舟入住民ら開催

 広島市中区の舟入地区で被爆し、戦後すぐに西区へ移されたピアノを弾くコンサートが8日、中区舟入南のマンションの広場であった。地元の住民たち約70人が、約70年ぶりに「里帰り」した音色に聞き入った。

 ピアノは、爆心地から約1・5キロの舟入川口町で被爆。側面にはガラス片が刺さった跡が残る。ことし4月、所有者の男性(80)=西区=から寄託された調律師矢川光則さん(62)=安佐南区=が修復。地元自治会と協力し、里帰りを企画した。

 この日は、作曲家の坪北紗綾香さん(32)=西区=が「ふるさと」など17曲を披露。児童3人も参加し、戦火をくぐり抜けた鍵盤の調べを楽しんだ。演奏した舟入小4年の藤木奏寧(かや)さん(10)は「爆風に遭ったのに良い音が出てすごい。友達に教えたい」と喜んでいた。(和多正憲)

(2014年11月9日朝刊掲載)

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