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争い鎮める役割 期待 長野で平和首長国内会議

 広島市の松井一実市長が会長を務める平和首長会議の第4回国内加盟都市会議が10日、長野県松本市のホテルで2日間の日程で開幕した。核兵器をめぐる最近の国際情勢を踏まえ、平和首長会議の役割などについて議論を始めた。

 初日は、全国92市区町村から首長42人を含む138人が出席。松井市長はあいさつで来年の被爆70年と米国での核拡散防止条約(NPT)再検討会議に触れ、「より多くの人と思いを一つにしたい。平和首長会議は争いを鎮めるアンカーとして機能する」と強調した。広島平和文化センターの小溝泰義理事長が、核軍縮・廃絶に向けた国際社会の動向を報告した。

 地元の児童、生徒による平和の取り組みの発表もあった。松本市の派遣事業で8月6日の広島市の平和記念式典に参加した中高生は「被爆者の話が最も印象に残った」「戦争は二度と起こしてはいけないと心から思った」と振り返った。松本市の菅谷(すげのや)昭市長と親交のある俳優の樹木希林さんも登壇し、平和の大切さを訴えた。

 11日は、平和首長会議の活動の充実に向けた国内の組織規約を議論する。核兵器禁止条約の早期実現を求める安倍晋三首相宛ての要請書をまとめる予定。

 国内加盟都市会議が被爆地以外で開かれるのは初めて。加盟都市は1日現在、1514市区町村。(藤村潤平)

被爆アオギリ2世の植樹式 松井市長も参加 長野

 長野県松本市での平和首長会議の国内加盟都市会議の開催を記念した被爆アオギリ2世の植樹式が9日、同市のあがたの森公園であった。平和首長会議会長の松井一実広島市長も加わり、核兵器廃絶への取り組みを各地でいっそう活発化させると誓った。

 松本市の幹部や市議たち約30人が出席。菅谷昭市長は「核兵器廃絶のために市民の意識を連鎖反応的に高めたい」とあいさつした。松井市長は「会議開催に名乗りを上げていただき、感謝する。多くの人に賛同を広げてほしい」と述べた。

 苗木は広島市中区の平和記念公園にある被爆アオギリの種から育てたものを、同会議事務局の広島平和文化センターが提供した。

(2014年11月11日朝刊掲載)

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